さて,アイリッシュ・チューンで良く使われる超高速の♪タカタッという三連符の装飾音を,トリプレット,あるいはトレブリングと言います.これの弾き方について解説します.

まず,参考音源として,トリプレットで紹介したものを再掲します.

で,この記事では,この【 Dinky's Reel 】の中で使われている,冒頭のトリプレットについて,ポイントを書きますよ.

まず,リズムについて,復習しておきましょう,

リールのリズムは,スッチャッ・スッチャッと,2拍目と4拍目の「チャ」を強調する4拍子です.ってことは,ここではリズムの1拍目にトリプレットを弾き,その次に強調の2拍目が来ることになります.つまり,ポイントは,弱拍でトリプレットを弾き,強拍が後に続く,というパターンってことですね.

1拍の短時間にトリプレットをねじ込むので,感覚的に,弓を3回上げ下げして3つの音を出すというより,ワンアクションで,ピカッと瞬間的に終わらせるニュアンスになります.そして,2拍目は,強調したい音なので,ダウン・ボウイング(下げ弓)で強く弾いてリズムをつくりたいわけです.そして,このフレーズのニュアンスを考えると,1拍目のトリプレット部分と2拍目の強調音を,分離させずに滑らかに繋げて,シャッフルの「タメ」を作りたいのです.

というわけで,ここは,個人的に,こういうボウイングが表現しやすい.

            (↓↑↓)-↓↑

つまり,ダウンでトリプレットを弾き始めて,その後,弓を返さずに,スラーで次の音に繋げるフレージング.

上に比較的ゆっくりと該当部分を弾いた音源を掲載しました.前半3つがトリプレット.そして,ダウン・ボウイングのスラーで次の音を繋げる,というやつですね.で! その音の強弱変化が下の図です.横軸に時間,縦軸に振幅をとっている,いわゆる音のスペクトルですね.赤い矢印がトリプレット,そして赤丸で囲んだ部分が,2拍目の強調部分です.

シャッフルを効かせたトリプレット表現

さて,リズムの強弱を考えると,1拍目のトリプレットは,2拍目より強く出すぎてはいけない.よって,赤い矢印のトリプレット部分は、無駄な動作や力を極力省いて,さりげなく,小気味良く,引っ掛ける.装飾なので,過剰に音を出さず,リズム優先で.スラーの前半(先ほど表した(↓↑↓)-↓↑の「-」部分)で少しリズムを「タメ」て,赤丸のついた強調部分でシャッフルのアフター・ビートを表現する,というわけです.

軽くて早いトリプレットと,シャッフルの「タメ」で,曲のしょっぱなからケルティックな世界に引きずり込みましょう.ちなみに、例題曲の演奏の方は,自分で設定したギター伴奏の速さについていけず,お手本としてはリズム表現がイマイチでした.すまん.