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お久しぶりです。

エルデ楽器に協力して、フレットバイオリンのレッスンを手伝っている関係で、そのレッスンの場所を掲載します。2016年から巣鴨の「レソノサウンド」という場所になるようですので、先日、訪ねてきました。JR巣鴨駅のすぐ近くですね。徒歩3分。

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巣鴨駅の南口を出ます。南口ですよ!

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ここを写真奥に向かって歩きます。花屋の看板が目印かな。

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てくてく真っ直ぐ歩いていくと

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それほど歩かないうちにガソリンスタンド「エネオス」の看板が見えてきます。行きすぎた角、カレー屋「CoCo壱番屋」の手前を左折。左折してすぐの右手に「レソノサウンド」はあります。

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下の写真は左折直後の風景。右手の赤い建物の手前です。本当に曲がってすぐです。

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正面玄関はこんな感じ。なんとなく、入り方に戸惑いますが、心配無用です。躊躇せずドアを開けて中に入れば受け付けがあります。

レッスンはこんな感じ。全くの初心者でも、きっと2時間で曲を弾く体験ができることでしょう。その達成率は今のところ91%です。

受け付けはエルデ楽器のウェブサイトでどうぞ。

 

さて、前回は、フレットバイオリンを使った「2時間で曲が弾けるようになる初心者レッスン」のカリキュラムを作って、講師をやったよ、という内容でした。

今回は、具体的にカリキュラムの作成手順についての話です。せっかくの機会なので、専門である認知工学の知見も取り入れつつ、それなりに練ってデザインしたので、自分の思考過程のメモを残しておきます。

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最初に大枠の方針を定めました。

エルデ楽器の理念は、「アマチュアのバイオリン弾きを応援します!」というものです。そこで、初心者~中級者~上級者が、あくまでアマチュアのバイオリン弾きとして目指すゴールを仮設しました。上図の「上級者」ゾーンで3つに分かれている部分がそのゴールです。レッスンをきっかけにバイオリンを始めた人が、最終的に辿りつきたいゴールは、この3タイプに集約されると考えています。 ちなみに、「技術の習得」ではなくて、「バイオリン生活」をゴールにしている点に特徴があると思っています。技術的な弾き方だけじゃなくて、その技術を使って音楽生活に踏み出すサポートをカリキュラムに含むわけです。

さて、カリキュラムの全体方針については別のエントリでもう少し語るとして、このエントリでは、上図の左の「初心者」へのレッスン内容に焦点を当てて解説します。

「初心者」であるあなたは、エルデ楽器のレッスンに参加すると、「え? これだけでバイオリン弾けんの?」という感想をもつでしょう。なぜなら、このレッスンには、一般的な初心者用テキストに書かれているような基礎知識や基礎練習が全く出てこないからです。そう、このレッスンは、曲を弾くために必要な最小限の情報と手指の訓練時間だけで構成されています。あなたは2時間のレッスンの間に、弦を押さえ弓で音を出すことだけに集中して、一直線に曲を弾く体験をつかんでください。

この「一直線」の方針には、大きな理由があります。

それは、モチベーション・コントロールです。バイオリン弾きが、「だめだ、つまんね、やーめた」となるのは、実はあるタイミングに集中しています。バイオリンを始めてみようかな♪ と思い立って楽器を弾いてみたときです。まぁ、わかりやすい話ですよね。3日坊主という言葉が示すとおり、何事も初めの一歩が最も不安定でドロップアウトしやすいもんです。ダイエットでもランニングでもそうじゃないですか、「始めてはみたけどさー、3日でやる気なくしたわ」となる例を挙げれば枚挙に暇がありません。ここを乗り切って定常状態にのせるためには、モチベーションをコントロールする工夫が必要なのです。

モチベーション・コントロールについては、簡単な方法が知られています。「やる気を引き出すには、その人に技量につりあった難易度の課題を与える」というものです。言い方を変えると、人は難しすぎたり簡単すぎる課題が与えられると「やる気をなくす」のです。これはちょっちアカデミックに言うと「フロー理論」に基づいた考え方です。

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フロー理論は、もともとスポーツ選手の育成法に使われていましたが、ゲームのデザインなどにも応用されています。例えば、モンハンで最初に出てくるモンスターは大した反撃能力もない草食竜です。それを倒して狩の基本を覚えると、次のミッションには、もっと手強いモンスターが待ち構えています。このモンスターが強すぎれば「無理ゲーすぎて、つまんね」となりますし、弱すぎれば「ただの作業じゃん、つまんね」となります。プレイヤの技量に合わせてゲームの難易度を上げていくことでモチベーションを維持しつつ、ゲームをより難しく、より達成感を得られるように高度化していきます。

そこでバイオリンの話に戻りますが、この楽器は、おそろしく敷居が高いシロモノです。他の楽器――例えば、リコーダ――は、息を吹き込めば誰でも音を出せるし、どれかの孔を指でふさげば、決まった音程がでます。しかしバイオリンは、右手で弓で弦を擦って音を出すこと自体が難しく、さらに左手の指で弦を押さえて音程を作るのですが、このときの正しい指の位置がものすごくシビアで、かつ学習するのがとんでもなく難しいのです。モンハンの例でいえば、コントロールも覚束ない最初のミッションに最強のボスキャラであるアルバトリオンが出てくるようなものです。勝てるわけねー。要するに、全く音楽になりません。それでも、この無理ゲー状態をコツコツと続けて技量を磨いていけば、いつの日か、うまく弾ける日が来るかもしれません。しかし、普通の感性の人であれば、全く音楽にならない練習をコツコツつづけるモチベーションが続きません。幼少の頃からそういう「おけいこ」だと教えられれば出来るでしょうが、大人になれば、世の中にはバイオリン以外にも楽しいことが山ほどあるので、忍耐の限界を超えればさっさとバイオリンを片付けて次の趣味を探すでしょう。当たり前だ。

そんな状態の初心者に、最初にバイオリンを教えるにはどうすればよいか。2つのアプローチが考えられます。ひとつは、プレイヤーの技量に下駄をはかせて底上げすること。もうひとつは、ミッションの難易度を下げること。そうすればフロー理論が示す「モチベーションを育てる適切な範囲」に近づきます。下に図を再掲します。一目瞭然ですね。


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では、技量を底上げするためにどうするか。

ここに登場するのが、「フレットバイオリン」です。これを使えば、「辛い練習」を省略して初心者レベルを飛び越え、いきなりメロディを奏でる「楽しさ」を体験することができます(詳細な楽器と効果の説明は別エントリーに譲ります)。私の好きな例えで言えば、フレットバイオリンは自転車の補助輪のような役割を果たします。何度も転んで痛い思いをしながら練習しなくても、補助輪を付ければ、サイクリングする「楽しさ」を先取りできるのです。この「楽しさの先取り」こそ、フレットバイオリンが初心者にもたらす 最大の恩恵でしょう。楽しければ楽器練習を続けられるのですから。

次に、ミッションの難易度を下げるにはどうするか。

ただ音を出すだけでも難しいのに、曲を弾くというミッションを課しているので、何としても難易度を下げる必要があります。簡単な曲を選ぶのは言うまでもありませんが、その他の工夫として、レッスン参加者の認知リソースを管理しています。認知リソースとは、何かに注意を集中したり、物事を記憶したりといった知的作業で使われる、脳という名のCPUのメモリのようなものです。初めてバイオリンを弾くときは、覚えることがたくさんあり、注意すべき事柄もたくさんあるため、脳のメモリがオーバーフローしがちです。そこで、「バイオリンで曲を弾く」というミッションを、できるだけ小さなタスクに分割します。その上で、ひとつのタスクを練習している最中に、別のタスクを挟まず、その習得のためだけに認知リソースを振り分けるようにします。例えば、左手の指で弦を押さえる練習をしているのであれば、右手で弓を持つ技術についてはひとことも触れません。レッスン参加者には、全ての注意を左手だけに集中してもらい、ある程度習得したら次は右手という具合にミッションを細分化して順番に進めていきます。この考え方でレッスン時の指示を削りに削って、究極までシンプルにすることで、なんとかかんとか曲を弾くというまとまったミッションを達成させることができるわけです。

こんな風に、フレットバイオリンの特性を活かして、初心者には「一直線に曲を弾く」レッスンを組み立てたのでした。とりあえず初心者レッスンの話はおしまい!

友人のエルデ楽器さんに依頼されて、バイオリンのレッスンイベントを開催します。

最初に、企画の目論見を説明してしまいましょう。


●日時: 2014年4月12日(土) 
               13:00-15:00(一回目)
               16:00-18:00(二回目)

●場所: 都内のカラオケ屋 
  ※ 現在のところ、コートダジュール銀座コリドー店を予定しています

●料金: 3000円(税込)  ※ レッスン料金、レンタル楽器料金、レッスン資料、カラオケルーム料金、ワンドリンク料金、以上の全てを含みます

※ エルデ楽器が、トライアルだから無料でいいや、との方針を示したことから、当日、実費(場所代)清算のみの、実質無料となりました。

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こんな部屋で5,6名で、ワイワイやるイメージです。

●レッスンの概要:

   バイオリンの大体の仕組み(弦の音の構成など)
   
フレットの押さえ方
   
タブ譜の見方
   バイオリンを弾く姿勢(構え方・弓の持ち方)
   
曲の練習
   合奏

>>> エントリはこちら


タイトルにあるとおり、楽器の初心者さんでも、「2時間で曲が弾けるようになる」ようにするのがコンセプトです。従って、バイオリンを弾くのに、絶対に必要な実践スキルのみを2時間にギュギュっと凝縮します。当然、あ・く・ま・で・も、楽しく♪

Q: 本当に2時間でこんなにできんの? 

A: 常識的な感覚に従えば、ギリギリアウトな構成です。

「は? アウトなの?」と、お思いでしょうが、まぁ、無茶です。普通のバイオリンレッスンで、初心者が何をどのくらいやるかは、「バイオリン レッスン 初回」あたりでググれば出てくると思います。上記の内容と、比較してみてください。分かりやすく例えるなら、自転車に乗ったことのない人に、「2時間で乗り方教えるからサイクリングに行こうぜ♪」と言っています。ほら、無茶でしょうが。

それを承知で無茶をする、チャレンジャブルなレッスンと捉えてください。ぶっちゃけていえば、実験的なモニターイベントです。実践パイロットスタディです。

故に、2時間で3000円としました。 ※ 上記のとおり、実質、無料となりました。

この金額には、上記のように、カラオケルームの料金も、ワンドリンクオーダーのための飲み物代も入っています。レッスン用に資料冊子を作って配布します。それも無料です。それから、初心者の人がバイオリンを持っているとは思えないので、エルデ楽器の商品在庫を、レッスン用に出してもらいました。この楽器のレンタル料金も無料です。そうすると、この楽器は、もうお店で正価では出せない上に、使っていれば切れた弦の保守等々でもお金がかかるわけで、この企画自体、多分、大赤字です。が、エルデ楽器は「まぁ、いいや」だそうです。エルデ楽器には大変悪いんですが、涙を飲んでもらい、この料金を通させてもらいました。ははは。実験には金がかかるもんなんだよ。

その代わり、2時間で本当に曲が弾けるようなレッスンができれば、それはフレットバイオリン、ひいてはエルデ楽器の宣伝になりますんで、成功した暁には、おおいに成果の宣伝に協力してあげてくださいな。アンケートかなんかで「喜びの声」のコメントを求めたりするかもしれません。その際は、2時間でバイオリンが弾けるようになった上に、恋人ができて、さらに、背も伸びた、くらいに盛ってあげてください。

ところで、私は、講師を頼まれて引き受けたわけですが、当然、まるっきり勝算なく無茶をするつもりはありません。実は、これまでに何度かトライアルを重ねた結果、ちょっち自信を持っています。その最大の理由は、フレットバイオリンを使う点です。

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図のように、バイオリン(上)と、フレットバイオリン(下)には、際立って異なる箇所があります。言うまでもなく、「フレット」の存在です。バイオリン初心者が曲を弾くところまでたどり着けないのは、慣れない指で音程をキープできないからです。そこで、普通なら、正しい音程がとれるまで、いわゆる反復練習をすることになるわけです。毎日毎日、繰り返し繰り返し。これ、修行です。大切かもしれませんけど、つまんないです。

一方、フレットがあれば、押さえる位置が仕切られていますので、それほど精密に指先をコントロールしなくても、簡単に正しい音程がキープできます。音程さえ正しければ、それほどストレスなく「曲を奏でる」ことができます。

曲が弾ければ楽しい! 

これが重要。自転車の場合で例えるなら、フレットバイオリンにおける「フレット」は、自転車の「補助輪」として機能するんですよ。これなら、ご近所のサイクリングくらいなら行けるはず。転んでばかりの反復練習ではなく、楽しくすいすいご近所を走って、先に感覚的に乗り方を身につけてしまう。同じ練習するなら、こっちの方が効率もよさそうでしょう? 

そんな風に、2時間でバイオリンを弾く体験をして、「楽しい感覚」を持ち帰ってもらえれば、ひょっとしたら数年後に、超絶バイオリンがうまくなって一緒に遊んでくれるかもしれない、というのが講師である私のモチベーションです。あと、本当に2時間で弾けるようになる凄いカリキュラムが確立したらヤマハか河合楽器あたりに持ち込もう、とか(笑)

と、まぁ、そんなイベントです。暇だからひとつバイオリンっちゅうもんを弾いて遊んでみよー、というくらいの気構えで来てくださる方なら、どんな方でも結構です。......あ、いや、私より上手い人は絶対来ないでください。

やってみようかな、という方はエルデ楽器のウェブページへどうぞ。またコメント開けますんで、質問があればどうぞ。

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