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まず,サンプル音源を再掲しておきましょう.

トリプレットの弾き方(2)は,この曲の後半で出てきたフレーズに適用します.アイリッシュ等では,トリプレットの弾き方(1)より,この,下記のようなフレーズの方が頻出します.こちらがメインだと思います.

♪ターラータカタッ

の,終わりの♪タカタッがトリプレットですね.

これを聴いても分かるとおり,トリプレットの弾き方(1)とは異なり,フレーズの後半に三連符が入ります.ここは,リールのリズムの2拍目=強調拍ですので,この場合のトリプレットは,あってもなくてもよい装飾ではなく,フレーズにガッチリ組み込まれているイメージです.きっちり弾かないわけにはいかない.

前半の「♪ターラー」の部分をタメてから,鋭く切れ込むようにトリプレットを弾きます.無理やりかつ極端に表記すると,「ターラー......?......タカタッ」って感じです(←分かりにくい).そう.つまり,お馴染みのシャッフルのニュアンスです.少し貯めてから,リスナーの耳に,タップダンスのような小気味よい三連符を叩き込まねばなりません.

そこで,トリプレット部分を,ダウン・ボウイングで,重く強調するのではなく,アップ・ボウイングで鋭く軽快に表現します.

↓↓-(↑↓↑)

最初の2音を,タメのある穏やかなスラーで繋げて,相手が油断したところで,鋭いトリプレットを繰り出してビックリさせたいものです(音楽はハッタリだ by okikage).ダウンのスラー(↓↓)で,タメを作ると,弓の先の方でトリプレットをすることになるのですが,弓先でのコントロールは比較的難しい.まずは,弓の中程あたりで練習しましょう.なお,個人的には上記の弓使いがメインですが,同じフレーズでも,全く逆に(↓↑↓)これでタカタッ♪と弾き飛ばすやり方もあります.どちらも出来るのが理想です.

いずれにせよ,このフレーズでは,リズムを強調する2拍目にトリプレットが入ります.装飾的な表現のために,少々力が入ってもかまいませんが,理想の切り返しの速さや力強さは,力んだ右腕からは生まれないのが難しいところです.......といいつつも,私の場合は,上腕,とくに手首から弓を持つ指にかけてを,瞬間的に硬直させるような方法で,弓を返しています.いわば「力任せ痙攣法」です.練習するうちに,必要最小限(?)の力で,クッと弓を返せるようになってきましたが,まだまだスマートとは言いがたい.......いや,もちろん,「瞬間的に」硬直するためには,通常運行時は,脱力したリラックス状態でなければいけないわけですよ.うん.(←正当化)

事例を示すために,手持ちの動画で,これが出てくるものを探したところ,夏のフェスで弾いた,ナタリー・マクマスターのオリンピック・リールという曲のエンディングに頻出していました.最初のダウンのスラーが2音ではなく,3音だったりしますが,基本は同じです.この曲の練習時に,バンド仲間に見せるために急造した動画なので非常にラフですが,まぁ適度に参考になればいいや.

せっかくなので,オリンピック・リールも再掲しておこう.

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バイオリン買った! 初めて音出してみる! という状況にある人のためのナビゲーションを綴っておきます.つまり,この記事カテゴリは,入門編という位置づけになりますね.

じゃ,お店でバイオリンを購入した翌日,という設定で行きましょうか.

土曜日.長い惰眠をようやく打ち切り,ベッドからドテ,と転げ出た貴方は,マイ・バイオリンのことを思い出して,瞬時に覚醒します.そういえば,夕べは,自分のパートナーになる楽器に最高の名前をつけようと,命名辞典をめくりながら明け方近くまで起きていたんだったっけ.

目を上げると,黒いケースは,昨日と同じようにちゃんと机の上に静かに乗っています.よしっ,さっそく,音を出そう!

●いや,その前にまず手を洗いましょう.

普段,あまり意識しませんが,人間の皮膚はずいぶんオイリーです.油まみれといってもよいでしょう.私は学生のころ,実験室でビーカーやフラスコを扱っていたのでよく知っています.実験準備のために,ぴかぴかに磨き上げたガラス表面に,指の先端で一瞬触れただけで,そこから虹色のアブラの皮膜がパァッと広がるのです.

普段,弾くときは,(もちろん手を洗うに越したことはありませんが),そこまで神経質にならなくてもいいでしょう.しかし,初めてバイオリンを弾くときは別です.なぜなら,最初に「弓に松脂をなじませる」作業が必要だからです.

●弓に松脂を馴染ませる

弓の毛,これは馬の尻尾の毛です.

ドラえもんの『もどりライト』のエピソードで,「バイオリンの弓くじらのひげでできているのかな」というオチがあって,これの影響で,「すごく高級な弓の毛は,鯨の髭である」と信じている人が多いんですが,実は,毛の部分は馬の尻尾(あるいは,その合成素材)です.鯨の髭は,高級弓で,把持した手がかかる根元の部分に巻きつける装飾として使用されます.

whalebone.jpg

実際,ドラえもんでも「弓の"毛"が鯨の髭」とは言っていないんですよね.

いや,話がそれました.

......ええと,なんだっけ?

そうだ.弓に松脂を馴染ませる話だった.

買ったばかりの弓でバイオリンの弦をこすっても,つるつる滑るばかりで音が出ません.擦弦楽器というくらいですから,弓の毛がしっかり弦を摩擦して,接触面から力を伝えなければなりません.そのために,弓に松脂を塗ってちゃんと弦に毛が引っかかるようにします.

新品の弓は,まっさらですから,多少ゴシゴシ塗っても,弓の毛全体には松脂が付着せず,その状態でバイオリンを弾くと,すぐに表層の松脂がとれてまた音の出が悪くなります.ここは根気よく,ごしごし塗りましょう.

で,その松脂を塗るやり方などの,詳細は別に書きますが,このときに,たくさん松脂に触りますし,初心者の貴方には,準備万端整えて,手早く一直線に作業を完了させることはできず,ワタワタと,松脂のついた手で,弓や楽器のいたるところを触ることになるでしょう.

ここで,先に述べた「手を洗え」という話に戻ります.松脂と手の汚れ,松脂と汗の組み合わせはやっかいです.弓の毛がすぐにダメになってしまいます.

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さて,どんな弓が良いのか? という話です.

まず,結論を言ってしまうと,弓の材料や特性についての知識より,値段を見るのが実践的です.というのも,ここで話題にしている下限の価格帯では,材料の原価が価格に大きく関係するからです.特に,弓は材料が性能に大きく影響するので,すごーく乱暴に言ってしまえば,高けりゃいいのです.

もうひとつ暴言を吐かせてもらうなら,「自分にあった弓を選びましょう」という良く見かけるアドバイスもナンセンスです.既に演奏スタイルの完成している達人なら「自分にあった楽器」を選択できますが,我々のような趣味のプレイヤー(特に今から始める人)は,「自分が楽器に合わせる」が,上達の基本です.結果として「自分にあった楽器だった」(本当は,「自分が,楽器の特性にあった奏法を身につけた」です)となればOK.第一,大量生産品のラインナップから選ぶわけで,たいした選択肢はないってば.とりあえず価格が体現する「ハズ」の,基本性能だけを信じればよろしい.(ウェブでは,たまには過激なことを書かないと,アクセスが増えないと言います.)

しかし,まぁ,上記の「ハズ」部分を確認する上でも,知識は無駄ではありません.以下.

弓の木材の特性は,密度が高くて堅いことです.良し悪しはそこでまず決まります.ブラジル・ウッドが使われることが多く,良いものはその中でもフェルナンブーコというものになります.が,フェルナンブーコであれば,全て良い材料というわけはなく,おのずとピンキリがあるわけで,そんな中,低価格帯の弓に使われる材料のクオリティは推して知るべしです.要するに,材料名をブランドのようにありがたがるのは危険です.(例:○○円でフェルナンブーコ使ってるよ!絶対買いだって!)

カーボンファイバーも材料からみたとき選択肢のひとつになりえます.堅くて,しなやかです.ケアも楽です.欠点があるとすれば,まだ下限価格がちと高いこと(アウチ! ......しかし,これは同性能の木製の弓より高価という意味ではなくて,ある程度の品質以上の製品しか製造されていない,ということです.そりゃ,中国製などに張力コントロール不可能な弓がある等々の例外はあるでしょうけど)と,木と比較してやや剛性が強いことです.剛性については,民族音楽のような,強い表現が多い音楽をやるなら,逆に武器になるでしょう.特に避ける理由は考えつきません.

以上の話を総合すると,要するに,ここではカーボン弓を勧めることになるわけなので,ちょっと詳細に踏み込んでみます.

カーボンファイバ製の弓の特性は:

・加熱成型する「ドライ」と,心棒に巻いて作る「ウェット」の2種類の工法に依存する.「ドライ」の方が強くて上等.

・いずれも木材とくらべて均質(そりゃそうだ).故に,同じ製品ならほぼ同じ性能(木の弓は性能バラバラ).よって,品質を揃えた大量生産が可能.大量生産されれば価格は下がる.

・木より剛直で「しなりにくい」.故に,馬の毛を引っ張る力は木と同程度でも,木よりしならないので,演奏中の弓の操作によって,比較的,張力が変化しにくい.よって,弓のしなりを利用する細やかな表現は苦手.

・その代わり,弓の強さを利用した,大きな音での演奏や,長時間の省エネ演奏が可能.

まとめ:

●カーボンファイバ製の弓は,ドライ>ウェットの2種類あり
●製品ごとに性能が揃っている.たくさん作るほど値段が下がる
●以上より,大量生産品ほど同価格の他製品より良い可能性あり
●小さな力で強い音がでる.しかし,表現力は木より劣る


さて,材料についてはこのくらいにして,直接,弓の性能の話をしましょう.経験上,「重さのバランス」と「堅さ」が良い弓の条件です.

重さのバランスについては,重心の偏りすぎた弓や,重すぎる弓というものに出会ったことはないので,一般に市販されているものは,ある程度の基準を満たしていると考えてよいと思います.私が違いを分かってない可能性もありますけど.

分かりやすいのは,弓の硬さです.木の棒は,馬の毛を張るときの張力に負けない硬度が求められます.逆にいうと,強い音を出したいときに,しっかりと弓を張れないのが悪い弓です.そういう弓は,目的の張力に達する前に木の反りが戻ってしまいます.安~い弓はほとんどこういう風↓になります.

bow-bad.gif

 

 

一方,良い弓は硬いので,馬の毛をしっかり引っ張って(赤い矢印),美しいカーブを保っています.

bow-good.gif

もちろん,見た目が問題なのではありません.悪い弓の問題点を列挙してみます:

1.疲れる

強い音を弾きたいときは,弓を弦にグッと押し付けて弾きますね.このとき張力が足りないと,その分を腕の力で補うことになります.悪い弓で一曲弾くと,腕が強張ってくたくたになります.

2.操作性が悪い

良い弓と悪い弓を比較すると,木の棒と馬の毛との間の距離に差があることがわかります.良い弓はしなっているので,真中付近の距離が短くなります.一方,悪い弓は,この間隔が広がってしまいます.右手は,木の棒を持っているわけなので,馬の毛が木の棒に近いほど,一体感のある操作ができ,間が広がるほど,"遠隔操作"をすることになるので,演奏の精度が落ちます.

3.すぐだめになる

毛を張るたびに,柔らかい木の棒は反りが戻ってしまい,馬の毛の張力はますます低くなっていきます.すると,張力を高く維持するために,もっと強く馬の毛を張る操作をします.すると,もっと反りが戻ってしまい.......この悪循環で,弱い弓は,どんどん弱くなってしまうのでした.(この悪循環に陥らないように,良い弓,悪い弓に関わらず,練習が終わったら馬の毛を緩めて,弓を歪みから開放してあげる必要があるのです!)

・・・と,まぁこんな感じで,弱い弓には欠点が多い.逆に,良くしなってかつ堅い弓は,感覚的な表現で申し訳ないのですが,吸い付くように弦を「噛んで」大きな音を出します.

バイオリン本体はあくまでも器(うつわ)に過ぎず,プレイヤーが自分の責任で音に関わる部分というのは,ほとんど"弓"の操作ではないでしょうか? 左手も音程を決めたりビブラートをかけたりと,忙しいですが,音作りの大部分は,右手にあると思っています.(余談ですが,この「最初は左手が重要だと思っていたけど,数年楽器を練習したら,本当は右手の技術が演奏の優劣を左右することが分かった」というのは,ギターなど,他の弦楽器でも共通して良く耳にするエピソードです)

そんなこんなで,バイオリン本体だけではなくて,弓にも気を使って,選びましょうという話でした.

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